師走に入ったという事で今年の総括シリーズ第一段、今年の読んだ本についてです。

正直、総括とか新年の抱負とか全くの不毛、と思ってるタイプなんですが、このサイトは僕の備忘録的な役割も兼ねてますのでどの頃にどんな事を考えて何をしてたか、というのを残しておくのもいいかと思うので色々総括します。しかし、こんな僕ですので今年の初頭の頃の記憶は曖昧なので厳密には去年の暮れだったかもしれませんし、何年もかけて読んだり、考えたりした事かもしれません。時系列的なものはまぁ、そんな気にするな、という事です。

さて、今年はコロナ禍でお家時間(この表現は嫌いだ)が増えた事もあり読書の量も増えた、かと思いきや今年はあまり読んだ数自体は少ない気がします。その分、ネットでの調べ物の時間や、ギター、機材の改造、HPのデザイン、動画検索などに時間を使っていたように思います。今の時代本以外からも新しい知識や見聞を広げることができるので当然の流れかな、とも思います。まして、Kindleに代表される電子書籍を使い始めると、書籍とWEBの境界線は益々なくなってきているなぁ、という印象です。

しかし、僕は紙の本は好きです。古い人間だからか電子書籍やWEBページの情報より紙の本で読んだ方が頭に残る気がします。僕が読む本のほとんどは現在区内の図書館で借りてます。こうする事で無限に増え続ける蔵書に悩む必要もなく、期限に尻を叩かれてちゃんと読むという利点もあります。

思い返してみると今年は新刊書籍の読了ゼロですw これは今年の特徴ですね。例年だいたい1,2冊は入っているもんなんですが。

それではカウントダウン方式で行きます。ちなみにWEBデザインやWEB関連書籍、音楽の教則本、音響の技術書関連の書籍は省いています。今年はこの手の技術書関連をたくさん読んだなぁ、と今思いました。

PRINCIPLES(プリンシプルズ) 人生と仕事の原則 (日本経済新聞出版)  / レイ・ダリオ

世界最大のヘッジファンド、ブリッジ・ウォーターの創業者であるレイ・ダリオの自伝的な自分の哲学を説いた本になります。投資界隈やビジネス自己啓発関連のおすすめではたまに見かける書籍ですが、紙の書籍の場合辞書ばり(中学の時使ってたプログレスくらい)の分厚さがあるので気後れしてしまうかもしれません。これをカバンに忍ばせて持ち運ぶと中、高時代の通学バックを思い出させました。

しかし、中身を読み進めるとその厳つい装丁に比べ、読むやすい内容と明解な構成で非常に読みやすく、ブリッジ・ウォーターの社員教育にも実際使っている為か、とても実利的だなぁと思いました。自己啓発のベストセラーと言えば「 7つの習慣 人格主義の回復: Powerful Lessons in Personal Change」(スティーブン・R・コヴィー著)が真っ先に上がると思います。これもとても有用な内容なのですが、実践的とは言い難いものがあります。この本は「7つの習慣」をよりビジネス界隈で実践的にしたような内容と言えるかもしれません。ちなみに後から知った事なのですが、スティーブン・R・コヴィー氏もレイ・ダリオも共にTM瞑想(ビートルズがやって有名になったやつ、参考リンク)を長年実践しています。この本の前半の自伝的原則の中にもTM瞑想の効用にも言及されています。クリント・イーストウッドの時も書きましたが(これな)、僕が惹かれる人はTM瞑想してる確率が高いw

少し内容にも触れておきましょう。僕的に気に入った考えは「発展し続ける文化を作る」というスタンスです。ざっくり言うと人間関係を重視し、よりオープンな関係とマインドを共有し最高の成果を出し続ける仕組み、文化を作ることが会社の成功の秘訣だと述べています。僕は会社を経営しているわけではありませんが、バンド、部活、SNS、なんでも何かの目的を持って人が集まる所ならどこでも応用出来る、と思いました。他の内容も非常に明瞭でピンポイントでは使える、人生訓になると思います。「7つの習慣」もこの本も一般の人には雲を掴むような部分があるかもしれません。また、原則の源泉(原則が生まれた経緯より深いバックボーン)についての話は薄い気がします。しかし、この二冊ともあとで紹介する本を読む事で原則の源泉を知る事ができます。

とにかく、この本はKindleで買うのがおすすめです。

ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか / ピーター・ティール

 

お次はペイパル、パランティアの創業者であり、フェイスブックやテスラや今やアメリカを代表する企業になった会社に投資した事で有名なピーター・ティールが行なった講義をまとめた本になります。また、この手の本ですねw ペイパルの創業者チームというのはとんでもない連中ばかりで、テスラ・モーターズ、スペースXのイーロン・マスクをはじめ、YouTube、Linkedin、yelpなんかを後に創業しました(他にも日本ではお馴染みではないがアメリカでは有名な会社を創業した人もいる)。その多大な影響力から彼らは「ペイパル・マフィア」と呼ばれています。その中でもピーター・ティールはドン、と呼ばれていて、不死のプロジェクトなんかにも投資していてハローバイバイ関の都市伝説でも名前が上がるので、そっち界隈でも有名かもしれませんw

イーロン・マスクやAmazonのジェフ・ベゾス、グーグルの人(名前をいつも忘れるw)他の本も読んだ事あるのですが、出来るだけ本人の言葉で書かれているものを初めに読む事にしています。その後興味が沸けば、他の人が書いた解説本みたいなものも読みます。文章では完全に伝わりませんが、出来る限り自分の言葉に近い方が伝聞よりも本人の人となりがわかりますのでフィーリング的なものを掴む事が出来るからです。

一番面白いと思った内容にだけざっくり触れますが、それは競争を否定し、独占だけが利益を生むと言う事です。言葉だけ聞くと何か傲慢で恐ろしいものを感じますが、その真意は逆にシリコンバレーのリバタリアン(自由主義者)的なものです。少し噛み砕くと、完全にフラットで誰も抜きん出ていなければ、過酷な競争に晒されて互いに消耗し合うだけであり、従来のもの10倍優れた物(製品、サービス)か、全く新しい物だけが独占を築き利益を生むという事です。ブルーオーシャン的な考え方に近いかもしれません。競争と現在の社会、人間の営みの諸悪の根源を考えさせられる一冊でした。

是非おすすめしたい本なので解説や感想を深く掘り下げる事はあえてしませんが、ゼロからワンを生み出す思考の一旦がか一見る事ができます。自分の哲学を固めたい人は特におすすめします。

序文の日本人の解説は読み飛ばしていいと思います。大して意味ないので時間返せ、状態でしたw なんであんな文章に何ページも割いたのか理解に苦しみます。

紙の動物園 / ケン・リュウ

 

今年読んだ数少ない小説の一つですw フィリップ・K・ディックの「流れよわが涙、と警官は言った」とか「ユーピック」と迷ったのですが、少し流行ってたのでこっちを選びました。もしかしたら去年読んだかもしれない本です。

今話題の中華SFの代表的な作家のケン・リュウの作品ですね。ケン・リュウはSF作家に必要なイマジネーションと圧倒的な論理力を兼ね備えた作家です。この感じは久々な感じですね。また、「三体」などの中華SFを英語に翻訳する翻訳家としても活躍しています。まさに中華SFの中心にいる人です。

この作品はハードSFというよりファンタジー色の強い短編を集めたものになります。ロード・ダンセイニ卿のファンタジー作品群、「地球の長い午後」なんかの流れの中にある作品になるかと思います。よりがちなSFを読みたいなら続編的な短編集「もののあわれ」を読んでみても良いかもしれません。

内容は非常に幻想的で機知に飛んでいてSFらしからぬ読みやすさです。読書好きな女の子にもおすすめしてドン引きされない良質なゲートウェイSFの一冊です(間違っても「ディアスポラ」なんか薦めてはいけない)。想像力を刺激してくれるので小学生高学年以上になら是非お薦めしたいですね。

このご時世、アーサー・C・クラークやアイザック・アシモフが生きていたらなんて言うのか、少し考えちゃう今日この頃です。

超越瞑想と悟り―永遠の真理の書「バガヴァッド・ギーター」の注釈  / マハリシ・マヘーシュ ヨーギー

 

今年もっとも影響を受けた本がこの本ですね。一番読むのに時間をかけた本でもあります。

このブログでも何度も触れているTM瞑想の創始者(広めた人?)でもあるマハリシがインド哲学のもっとも重要な聖典である「バガヴァッド・ギーター」を解説した本になります。本の題名からすると超越瞑想の宣伝本みたいなイメージをしてしまいます。でも、これはマハリシが超越瞑想を広げる為に世界を回ろうとし始めた頃に書かれた本なので、もちろん超越瞑想への言及はありますが彼の活動の宣伝的な要素は巻末の編集者の注釈くらいです。その内容は純粋で公正な「バガヴァッド・ギーター」の解説書に他なりません。

僕はライフワークの一貫で様々な宗教や哲学を追求してきましたが、インド哲学の「バガヴァッド・ギーター」に辿り着きました。読んでみようというきっかけはビートルズのジョージ・ハリスンの自伝で「バガヴァッド・ギーター」に触れていた事でした。ギター弾くから何か親和性あるのか?(全く関係ないけど無意味でもない)という安易なものでした。

ですが、意外にもインド哲学の日本語翻訳本というのは数が少ないのです。現在読める「バガヴァッド・ギーター」の関連本は5冊もありません。僕もこのマハリシの解説本にたどり着くまでに読める本は全て読みました。しかし、コーヒーをフォークですくうような高速スライダーに空振りするのに似た(わかりにく!)感覚で、何かあるのはわかっても肝心なところで決して真芯には当たりませんでした。それは訳者が仏教の研究者である事が多く、〜宗的にはという切り口になりがちだからです。「バガヴァッド・ギーター」は仏教の元になった聖典でもあります。仏教、それも今日の大乗仏教の観点からは決して語る事のできないものだったのです。その事が最初の数ページに解説されていて、目から鱗、全てのもやが晴れたような感覚を得ました。これが無明に光を与えるという幸福の状態なのです。マハリシは純粋にインドの学者の人なので、なんでこんな変わった言い回しをするのか、ヴェーダのより深いところからの解説となぜ間違って解釈されてしまったのかの解説もあるので他の本より深くダイレクトに理解できます。「バガヴァッド・ギーター」関連書籍で最後にこの本に出会ったのは何かの運命かもしれませんね。あたしは運命とか信じちゃうタチだから

内容に触れて解説するだけで結構なボリュームになりそうなので、いつかこのブログで触れられたらと思います。

1日一節夜毎に読み進めました。これほど深遠な本は字面の情報を頭で認識するだけでは意味ありません。考え、行動してみてまた聖典に戻ってみる。この繰り返しなしではなんの意味もありません。実はこれがヨーガに立脚した行動の一つだったのです。

そして、この本を読んで理解を深めることで先述したスティーブン・R・コヴィー氏もレイ・ダリオ氏をより深く、そして彼らの原則の源泉を体得する事ができます。逆を言えばこの本を理解出来ていれば彼らの本を読む必要性はほとんどありません。ギーター的な表現をすれば元は同じ源泉の水を彼らという個別性の蛇口を通って流れ出たものなのです。その水ははあなたでも僕の蛇口から流す事も出来るのです。

現在は中古本でしか手に入りませんが、もし手に取る機会があれば是非読んでもらいたいですね。

 

以上が今年の読書の総括です。そろそろいい小説も読みたいな、と思ってる毎日、マイライフ。

 

読んでくれてありがとう。

僕はこう思う。

Taiyo Haze


話に出た書籍たち。どれもこれも良書です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA