今回はSF布教編です。クラークやハインライン、またはスターウォーズのような不朽の名作の紹介を今更僕の拙い文章でやる必要はないでしょう。しかし、誰にも知られていない、日本では知られていない名作、良作を紹介、布教する事は少しは意味があるのではないかと思います。

前口上のくっちゃべりはなしにして、今回紹介するのはアメリカのSFテレビドラマシリーズ『MR.ROBOT』です。初めに言っておきますが見る人を選ぶ作品です。それ相応の知能と知的好奇心がないと理解出来ないでしょう。でも、そう言われるとグレッグ・イーガンの『ディアスポラ』なんかに挑んできたSFファンはゾクゾクするじゃろ?

『MR.ROBOT』

『MR.ROBOT』は2015年〜2019年にかけてシーズン1〜4が放送されました。主演はラミ・マレック。映画「ボヘミアン・ラプソディー」でフレディー役を演じていた、と言えばピンと来る人が多いのではないでしょうか?

私ごとになりますが、アメリカのテレビドラマシリーズで40話以上のものを一気見したのはプリズンブレイク以来でした。もちろん今でもAmazon Primeで配信されているスタートレック「ピカード」なんかも見ていますが、「24」「プリズンブレイク」のような熱に侵されたような見方とは少し違います。次の展開が気になりすぎてTutayaに走った記憶が懐かしいアレです。スタートレックや銀英伝(初代)をマラソンで何となく一話づつ見ていくのも楽しいですけどねw

僕の中では「24」「プリズンブレイク」レベルなのですが如何せん日本では知名度は低いです。テクノスリラー、サイコスリラーとカテゴライズされていますが、そのような謎のカテゴライズがこの作品の門戸を狭めているように思います。この作品はSFサスペンスとして捉える方がわかりやすいでしょう。もしくはSFサイコと言っても良いかもしれませんが、作品に内包されている要素が多岐にわたるので一言で言い表すのが難しいですが、それは演出の問題で根底にはSFの精神が流れていると思います。SF精神とは人間の意図を介さずテクノロジーを描写する事で予見的、真実、気づきをメッセージとして伝える事にあります。

概要

基本的には巨悪と戦う勧善懲悪的なスーパーハカーの話になります。24なんかでもそうでしたが、アメリカの世相をよく考察しているので予言的な内容が沢山出てきます。放送当時ではこんな事あるかもね、が現実になっている部分が沢山あります。アメリカドラマの社会的な洞察の鋭さには度々驚かされます。

スーパーハカーと言えば現代では憧れすら抱く存在なのですが、やってる事の凄さとのわりに映画やドラマにしやすいアクションがなく地味なのでHEROになりにくい存在でもあります。よくて主人公のパートナーです。間違っても闘うマッチョなマーベルの主役には選ばれません。ネットもの映画、アニメなんかでよく行われる電脳戦の演出も実に退屈になりがちでいくつも失敗してきた作品を見てきました。地味で退屈になりがちなハカーや電脳戦の描写をサイコやサスペンス要素何かを上手く駆使して演出されています。一話丸々演劇のようなセットで撮られている回もあったり中々挑戦的な演出に心意気を感じます。アメリカドラマの伝統芸の大どんでん返しもありでエンタメ要素もありつつ、結構エッジの聞いたメッセージ性のある作品に仕上がっています。

また、適当になりがちなハカーの使うプログラム、IT知識もよく調べられていてエンタメものとしては十分すぎるくらい表現されています。ダークウェブの話を2015年以前の当時から知っている、って事はガチのオタクかハカーが原作、製作陣にいるのではないかと思われます。この辺りはSF好きも納得のクオリティーではないでしょうか。

ストーリーや演出について具体的に話たいことが沢山あるのですが、ネタバレになるのでここでは書きません。しかし、「ソラリス」「ファイトクラブ」「アメリカンサイコ」「シュタインズゲート」の名前を聞いてぴんと来るものがあれば有無を言わさず見るべきです。この知的遊戯の極致のような作品を逃すのは勿体ない。見たいわけでもないNetFlixを垂れ流すならまずこれを見よう。仕事柄一話だけ吹き替えで見たけれど、字幕版をお勧めします。

無料期間は終わってしまったようですが、Amazon Prime 、Netflix等で見られます。

 

読んでくれてありがとう。

僕はこう思う。

Taiyo Haze

 

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