ギタリストにしても、DTMerにしても一切エフェクトをかけない素通しという人はまずいないでしょう。少なくともリバーブはかけるはずですし、ドラム音源などプラグインインスツルメントではデフォルトでかかっているのが普通です。世の中の7割くらいはデジタルエフェクトが使用されているのではないでしょうか。残りの3割のうちの8割はギタリストのアンプのスプリングリバーブやアナログペダル、残りがスタジオのアウトボードコンプくらいかなと思います。コンプや歪みは基本アナログの方が人気ありますね。

実際僕が使用しているエフェクトラックもコンプとサンズアンプだけがアナログです。他のRoland やKorgのリバーブ、ディレイなどはすべてデジタルです。この往年のエフェクターの音質は今聞いてもプラグインエフェクトとは一線を画すクオリティがあります。それはアルゴリズム、ビットレートや表面上に現れるスペック以外の要素も絡んでくる証拠だなぁ、といつも使いながら感じています。とは言っても昔みたいにラックケースにクソ重いラックエフェクターを積んでバンド練習に持って行ったりしないですけどね。練習なら僕はアンプのリバーブ使う派です。

一度先輩の映画のダビングを見学させてもらった時、TC ElectronicのSystem6000を使ってて、やっぱりかかり具合がAltiverbやRevibeとは違うなぁと感じたのを覚えています。まぁ、このSystem6000、他のMAスタジオでもたまに見かけますが、皆マルチチャンネルのアウトボードエフェクトは面倒なのでAltiverbかRevibeを使っちゃってますね。うん百万する高価なリバーブなんですけど。ちなみに僕は某アニメのオープニングのエコーだけ伝統的にこれの音だったのでこの為だけに毎週使ってました。個人的にはTCの音は癖強いのでずっとは使いたくないです。

さて、僕はエフェクターを考える際、この類の専用機のデジタルエフェクトとマルチエフェクター、モデリングエフェクター、シュミレーター、プラグインエフェクターは区別するべきだと思います。

それは同じデジタルでも使用感、出音が明らかに専用機のものと違うからです。今専用機を使っている人も少ないですし、この出音についてもいつかはお話しようと思いますが、ここでは後者のデジタルモジュールのお話をしたいと思います。

昔のマルチエフェクターのは音が細くなるというのが定説でした。それはいまでもそこまで改善されている気がしませんが、アナログのアンプヘッドを持ち歩くガチ勢が減ったせいで相対的に気にならなくなっているかもしれません。そしてLine6、BossのCOSM、Kemperに代表されるデジタルモデリング、シュミレーターの技術が発展してきて、Gitar RigなどのDAWベースのシュミレーターも一定のクオリティを突破してきいます。これらのシュミレーターの特徴としてマルチエフェクターで言われる音の細さをカバーするために中域に音のピークを持ってきがちです。そのためややもするとモコモコした印象になります。また、この手のデジタルエフェクターを複数使うと周波数特性が似ているので特に爆音下では、みょんみょんして耳が痛いサウンドになりがちです。そして、デジタル全般にずっと言われる事ですがずっと弾いてるとすぐ飽きる、という事です。この問題は正直将来的にも現在のデジタル技術に依存する限り解決しないと思います。

それはデジタルでカオスを作り出すのが不可能だからです。

今でもコンピュータで完璧な暗号システムを作る事ができない理由と同じです。これは特にロングトーンや白玉系のアルペジオ、同じ事をやり続けるソウル系のカッティングで問題になってくる事が多いと感じます。アナログは良くも悪くも暴れ馬です。それが故に飽きが来ないのですが、同じ練習スタジオでも毎週同じ音を出すのは難しいです。それが嫌でデジタルエフェクターを選択するというのもありですが、僕は無謀に暴れ馬を乗りこなそうとするタイプです。今時合理的ではない、トータルでいい音が作れるから軽い便利なデジタルにすべきという意見もよく聞きます。ぶっちゃけ、僕だってお仕事の時はそうです。でも、このシュミレーター系の売り文句を思い出してください。だいたいこんな事が書かれています。「チューブアンプの音を再現した」。という事はどこまで行ってもチューブアンプのイミテーションなんです。だからもし、この世で最高のものを作りたいという高邁な欲望があるならこの手のエフェクターをメインで使用するという選択肢はありません。トータルでもジミヘン、ピンク・フロイド、キャメルのアンディー・ラティマー、ボストンより人をそそり立たせるサウンドに到達した人は今だにいません。だいたいトータルで、というやつに限ってトータルの事を考えられている奴にあった事がないです。そんな簡単にトータルの感覚は身につけられるものではありません。簡単なら世の中にもっと素敵な政治家が溢れているはずですよねw

こんな事をいうと僕は単なるアナログ信者かデジタル時代に逆張りして目立とうとする詐欺師かと思われるかもしれませんが、実際のところアナログもデジタルも半々くらいで使っています。トラックに刺さっているエフェクトの数や専用機のラックエフェクターを考えるともしかするとデジタルの方が多いかもしれません。しかし、音楽的依存度を考えるとやっぱり半々です。MAの時は98%デジタルです。収録の時のマイクとコンプくらいです、アナログは。この間Studio oneでKelly Simonzさんのデータを無料で配っていたので試しに使って見ました。やっぱり楽にあの音が手に入ります。音楽的にも速い曲なら3分までは飽き性の僕でもいける、ロングトーンも2回までならいける気がします。

要はしっかりデジタルとアナログの個性、それに自分が必要なものを理解すればどちらもよいものだという事です。

アナログとデジタルを使いこなす時、一番の懸案事項は音の太、細です。しかし、デジタルが細くなるのは当然で自然の摂理です。元のアナログの音を16bit,44.1Khzのサンプリングレートで切り刻むわけですから元より細くなるのは当然です。特に中域は倍音が重なるのでデジタルエラーが起きやすく欠損しやすいのです。人参を切って角をとってもう一度集めたら元より量が減っているのと同じ原理です。最近ではもっと細かいサンプリングレートもありますが、大差はないように思います。デジタルはデジタルです。ですから、元々多少音が細くなっても構わないリバーブやディレイはデジタルと相性が良いのです。逆にデジタルなのに太いは要注意です。確実に内部で恣意的なアルゴリズムを組んでいます。リスナーは無意識に悪くないけどなんか変だな、と感じていますが自分の中にリファレンスもないので特に何も言わず、いい悪いもないままただ通り過ぎます。そこそこそれっぽい、いいデジタルサウンドの怖いところです。それなら、辛いけどアナログでおお滑りした方が自分の為にもなるかなぁ、とも思います。

その細問題を解決したいと思うなら一つの方法に真空管バッファーやEQ、アンプでしっかり周波数をコントロールし音の密度をあげる事です。完璧とは思いませんがいいところにはたどり着きます。僕もプラグインインスツルメントをサミングミキサー的にアナログ卓にたち上げてもう一度DAWに戻すという事をよくやります。これも同じ理由と原理です。

音が細くなる理由は他にもあるのですがまたの機会に掘り下げたいと思います。

 

読んでくれてありがとう。

僕はこう思う。

Taiyo Haze

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