今年はコロナ禍もあってたくさんYouTubeを見ました。というわけで今回は2020総括特別編、My YouTube Awards 2020を開催したいと思います。通称MY−1グランプリ。

これは今年僕が見た音楽系YouTubeの中から素晴らしい、面白いと思ったものに賞を与えたいと思います。動画投稿日時が今年というわけはなく、あくまでも今年が僕が見たという動画が対象です。選考に際し完全に僕の独断と偏見に基づき、異論批判賛同畏怖憐憫侮蔑嘲笑を受け付けません。また、選ばれた映えあるYouTuberの方には何の副賞も送られません。これをご了承いただきたく思います。

また優秀作品には金賞ゴールデンクリック賞が贈られ、今年もっとも優秀だった動画には大賞として、もっとも尊い白の輝きを放つホワイトクリック賞が贈られます。

それでは発表に移ります。

大賞 ホワイトクリック賞

ビンテージから現行まで20種類のはんだを弾き比べ!電子パーツ無し "はんだ"のみでどれだけ音が変わるかを徹底検証!!(BOSS DS-1モディファイで使用したはんだも登場) /  Yujin Imanishi さん

はい、映えある2020ホワイトクリック賞に選ばれたのはYujin Imanishiさんのチャンネルより、「ビンテージから現行まで20種類のはんだを弾き比べ!電子パーツ無し "はんだ"のみでどれだけ音が変わるかを徹底検証!!(BOSS DS-1モディファイで使用したはんだも登場)」の動画に決定しました。888888。

これはまさにこういう動画を待っていた、というマニアックな動画でした。こういうのこそYouTubeならでは表現方法というか絶対マスメディアでは出来ない企画です。内容も永久保存版というべき素晴らしいものでした。

僕たち(敢えてここはIではなくWeと言おう)のようなエンジニアリングの方からも究極の音を目指すモディファイオタク系ミュージシャン、エンジニアからすると使用するはんだの選択と言うのはストラトを選ぶかレスポールを選ぶかくらい重要な選択なのです。永遠に答えの出ない禅問答のような試行を繰り返し、その探求の道程において様々なはんだに出会います。新しいはんだに出会いギターのアウトプットジャックに垂らした瞬間の閃きは、楽器屋に不意に出会う伴侶となるギターに出会う時のそれと同じものです。しかし、その裏ではどれほどの別れがあったでしょう。高名なはんだを試してみては思ったほどではなく、クセが強すぎて使いにくく工具箱の底の大事な重しになっていたりします。また、自分が最高と思っていても誰にも理解されず、我々のようなオタクは「言われればそうだけどでそこまで違いなくね? はんだ以外も関係あるし」とか言われて自分の存在を疑う日々を過ごしています。

この動画は全ての人の疑念を晴らします。完璧な検証動画です。こんなにもはんだによって音は変化するのです。

わざわざ専用のリファレンスボックスを制作し、丁寧に一つづつ聴いていっています。あのボックスにわざわざ穴を開けて半田付けしている姿を想像すると首が垂れる思いしかありません。

というわけで今年の大賞、2020ホワイトクリック賞は「ビンテージから現行まで20種類のはんだを弾き比べ!電子パーツ無し "はんだ"のみでどれだけ音が変わるかを徹底検証!!(BOSS DS-1モディファイで使用したはんだも登場)」でした。

Yujin Imanishiさんのチャンネルはたまに覗いて定期的に視聴しています。主にギターサウンドの技術的な疑問や好奇心を非常にわかりやすく、高品質な動画編集によって説明してくれています。音が綺麗に録れているのもいいですね。今後も要チェックです。

チャンネルはこちら👇

https://www.youtube.com/c/YujinImanishi

金賞 ゴールデンクリック賞

緊急修理、現場で使うギターアンプを明日までに直す。/ SHINOS AMPLIFIER COMPANY

SHINOS AMPLIFIER COMPANYの代表であり、山下達郎などのギターテクニシャンでもある篠原勝氏のチャンネルから、「緊急修理、現場で使うギターアンプを明日までに直す。」が金賞に選ばれました。同チャンネルのJCM2000を直すという動画どちらにするかと迷ったんですが、タイトルがなんか深夜にしか放送されないN●Kのドキュメンタリーみたいで面白かったのと、僕自身JCM2000があまり好きではないという理由からこちらを選びました。

SHINOSのギターアンプは愛好家の間ではハイエンドアンプと名の知れたメーカーです。ギターテクニシャンもしているとは知らなかったのですが、尚の事鬼畜な現場のアクシデント、リクエスト、環境に対応してきた猛者である事は間違いありません。その経験、経験に基づいた知識、経験は単なるオタクの頭のお花畑の理屈ではない説得力とクオリティーを兼ね備えています。個人的に篠原さんのキャラも好きです。大賞を獲ったのYujin Imanishiとは対照的に、薄暗い工場からまさに現場からのメッセージという少し緊張感のある篠原さんの語りと臨場感のある動画の作りはとても見応えがあります。

さて、この動画でも冒頭で篠原さんが物静かな工場に一人立ち、静かな口調でFenderのデラックスリバーブが現場での緊急修理の為に運び込まれたという説明があります。そして、決意に満ちた表情で今日中に直すと宣言し修理に取り掛かります。早速修理に取り掛かりますが、故障箇所を探る工程はとても勉強になりますし、中々見ることが出来ない貴重な映像です。一昔前は工房で何年か修行しなければ見れなかった作業姿です。故障箇所をあっさりと特定し、さっくり修理を終えてしまいます。これを参考にして実際僕も自分のハイワットの修理を行いました。僕の場合はパーツの故障があったのでまだ完璧に治ってはいませんが、故障箇所がわかればだましだましやれるのでそれだけでも大きな進歩です。篠原さんのチャンネルでは特に真空管の取り扱いについての動画が貴重です。こんな事ちゃんとした人が語って説明してくれている動画もテキストもWEB上に見つかりません。あやしいかも、と思いながら自分で実際試行錯誤してみるしかないのです。

これは実際に役に立った素晴らしい動画です。

チャンネルはこちら👇

https://www.youtube.com/c/SHINOSAMPLIFIERCOMPANY

金賞 ゴールデンクリック賞

Mixing The Doobie Brothers - "Long Train Running" on an Analog SSL Console / Daniel Duskin

これはSSLのミキサー卓欲しいなぁ、と思っていたら見つけた動画です。

正直Daniel Duskin氏の事は全く知らないし、動画の詳細もよくわからないのですがこんな環境でミックス出来たらいいたら羨ましいなぁ、と思って印象的でした。Doobie Brothersの「Long Train Running」のバラ素材を使って実際ミックスを作っていくという動画なんですが、ミキサーのテクニックを魅せる動画はなかったのでとても為にもなるし、自分の技術の確認にもなりました。でもこれ、普通の人は何やってるか全然わからないかもw

やっぱりSSLのアナログコンソールはいいなぁ、と思いました。ミキサー卓は楽器だ、というのが僕の持論ですが、まさに楽器のように美しく、いい音がします。いやぁ、欲しいなぁ。そしてこれくらいアナログのアウトボードエフェクトも充実させたい。

僕がやるならDAWのデジタルの返しを立ち上げて立ち上げる分のフェーダーと、DAW上のオートメーションを書くフィジカルコントローラーをたさなきゃいかんなぁ、とか夢が広がりました。SSLでもHUIに対応している機種もありますが、やっぱりArtistMixや専用機の方が一日の長があります。

純粋に見ていて楽しい動画でした。

チャンネルはこちら👇

https://www.youtube.com/channel/UCP1TNPo8QrD5YJbanRikaHQ

 

審査員特別賞 チョコレート賞

・【何も起こりません】マーシャルを爆音にしてレッチリ「Can't Stop」をコーラスパート歌いながら弾いたら全然弾けませんでした。 / 西尾知矢さん

・コンサート現場で使われているガムテープ【プロの現場にはプロのギターテクニシャンがいる!!】/ SHINOS AMPLIFIER COMPANY

・ケーブルの8の字巻き【プロの現場にはプロのギターテクニシャンがいる!!】/ SHINOS AMPLIFIER COMPANY



他にも印象的な動画あったのでシェアしたいと思います(YouTubeっぽい表現w)。三つ選びました。

一つ目はギターの先生系動画? ってやつでべしゃりが面白いのでたまに見る事がある西尾知矢さんの「何も起こりません】マーシャルを爆音にしてレッチリ「Can't Stop」をコーラスパート歌いながら弾いたら全然弾けませんでした。」の動画です。やっぱYouTuberはべしゃりうまいなぁ、といつも感服しております。これに関してはプロが苦手で弾けてない姿を配信する心意気にあっぱれをあげたいです。プロが自分が弾けない姿を晒すなんてありえないことですが、自分の得意とするジャンルが違えば当たり前に起こっている事です。まぁ、実際動画をみると下手ですねw リズムとかファンダメンタルの部分ではさすがにプロですが、音楽的なところではこの時点でははっきり言ってクソですw この後リベンジ動画でどんどん上手くなっていっているのも面白いですから、続編も見ものです。

少し、西尾さんの動画から僕の思うところを書くと、日本人のギタリストは総じてギターのカッティングが下手な傾向があります。特にブラックフィーリングがあるカッティングはすこぶる下手です。詳しい事はまたの機会に書きたいと思いますのでさっくといきます。J-popの裏でコンプとコーラスでシャキーン、みたいなM7系のバッキングはプロならだいたい出来ると思います。西尾さんも他動画で弾いてますがしっかりしています。ジョンフルシアンテのカッティングを弾く際に重要なのは、なぜ彼がこのスタイルでどのようなフィーリングからこのフレーズを弾いているか理解する事です。間違いなく根底にはJimi Hendrixの影響があります。そして、ソウルミュージックのファンダメンタルがこれを支えています。ですが、彼は例えばコーネルデュプリーのような器用で凝ったカッティングをする技術力とメンタリズムがありませんでした。そこでより、シンプルで力強いロックのフィーリングと当時流行っていたコンパクトエフェクターのサウンドが融合してあのプレイが生まれるのです。

Can’t Stopを弾きこなそうと思う絶対4弦解放を綺麗に鳴らす問題にぶち当たります。多くのギタリストは4弦解放のかわりに5弦5フレットのDを弾いて回避します。でも、ジョンフルシアンテはそう弾いていません。それはレッチリがスリーピースバンドだからではないかと僕は思います。なぜなら、一度手を離してしまうと音が絶対に途切れます。それは3ピースバンドでは音圧の薄さに直結するので絶対に避けます。クリームのクロスロードのリフも5フレから始まるペンタスケール内でも弾けますが、クラプトンは開放弦を使って弾いています。クラプトンは自伝の中で3ピースは音が薄くなってギタリスト一人だときついからキーボーディストを入れたかったと書いています。3ピースで唯一薄さを感じさせないのがジミヘンです。彼は普通に親指で5弦まで抑えます。とかく日本人はフォーム(型)を大事にするので日本人ギタリストはセーハが好きです。これがファンク系のカッティングをする時に邪魔になる事があります。まだこの企画は続いてるみたいなので今後も西尾知矢チャンネルから目を離せません。

チャンネルはこちら👇

https://www.youtube.com/channel/UCvjOVoP0dxqPJw-3NkaB5mA

後二つはゴールデンクリック賞でもうおなじみになった篠原さんの動画ですねw プロ御用達のガムテとケーブルの8の字巻きの動画です。これぞマニアック極まれり、という動画です。そうそう、たしかにガムテは意外と重要なのよ。と思いながら、知らないガムテもあったのでAmazonでソッコーポチりました。たまにこういう動画上げくれるので嬉しいです。もっと皆んな見ようぜ!

 

さて、アワードはこの辺で終わりになります。他にも山口和也さんの「タメシビキ」(なんでタイトル今井麻美やねん)とかよく見ますが、クオリティー高くて為にもなるんですが、これいい!しか言わないし(たしかにいいんだけどw)何かもう一つ僕の変態心を掴んで欲しいな、と思いました。今年のM-1でいうと見取り図みたいな感じです。多分、真っ当なギタリストが見る動画なんでしょうね。EGOのギターとかよかったけど。他にもプレイ動画、ミックス関連や楽器屋関連も見てます。

今年は映えあるホワイトクリック賞をYujin Imanishi さんが受賞しましたが、総合的にはSHINOS AMPLIFIER COMPANYの篠原さんの年でしたね。今年はコロナでミュージシャン、音楽関係者、エンタメ関係エンジニアには散々な年でした。でも、皆んながんばって歯を喰いしばって頑張ってます。これが礎となってこれからの音楽でより深い感動を与えてくれるでしょう。

来年も期待ですね。よいお年を。

 

読んでくれてありがとう。

僕はこう思う。

Taiyo Haze

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