ロックは死んだ、それから、、、

ロックは死んだと何度も言われ何度か蘇ったロックですが、ロックの復活を聞かなくなって数十年が経ちました。もはやロックという意味はただ8ビートをひっぱたく集団か革ジャンを来た集団、もしくは陰気なサブカルク◯野郎の集団というカテゴリ分けに成り下がっています。たしかにこれらはロックの一面であるのは確かです。しかし、それはロックの枝葉末節の一部であり、幹でもありません。

僕が若い頃はテレビで音楽を知り、CDやラジオで音楽を聞くという時代でした。MTV以降の産業音楽全盛の時で巷にはヒット曲ばかりが溢れ、売れる曲がいい曲とされていました。スタジアムを満員にするアーティストより、ミリオンヒットを出すアーティストの方が価値があった時代です。今思えば売れるのはいい曲である事が多いのですが、必ずしもそうではありませんでした。新しいものというのは過大評価されがちです。それは売り出す側の力もありますし、新しいものに期待する消費者の心の現れでもあります。その為にこの消費社会では古くていいものは軽視されます。だから、僕がJimi Hendlix や Pink floyd, Eric Claptonに出会うのは20の頃になりました。それまではひたすらJ-Popを聞いていました。近くにできたツタヤのレンタルCDを貨り漁っていた日々が懐かしいです。そして、J-Popコーナーのあらかたをレンタルし終わって洋楽コーナーに手を伸ばし始めた時に何か違う、という感覚を得たのを覚えています。

今、時代は変わりました。若者はRADWIMPSやKingnu、米津玄師を聞くように古い洋楽や中島みゆきやなんかの昭和のいい音楽を聞くようになっています。サブスクリプションになってすべてが並列で手に入るようになったからです。僕がビジュアル系に憧れて(これ内緒なw)エレキギターを買ったように、Led Zeppelin や Queenに憧れて音楽を始める若者もいます。50年以上昔のバンドです。残念ながら今親の影響があってもBoowyやXに憧れて始める若者は少ないです。

今はYouTubeで見たいアーティストの映像が簡単に探せます。僕みたいに東京中のCD屋や楽器屋を回って情報を探すなんて事をする必要もないし、情報の質も高いです。しかしながら、彼らにも不幸があります。往年のアーティストの多くは亡くなり、現役を退いています。さらに日本の状況においては黄金時代を知るミュージシャンも生活を終われ姿を消していきました。今彼らはメディアによって大衆向けに醸成された情報や華やかなライブ映像からしか知ることが出来ません。マスメディアで語られるロックではなく、正統な生きたロックスピリットの伝承が途切れてしまったのです。

僕は運良く70年代、80年代とバリバリにロックと音楽に人生を捧げた人からロックを学び、スピリットを受け継ぐ事ができました。これこそが僕の矜持であり僕の人生なのです。しかし、今彼らから空気感を感じ直接学ぶ事は困難です。だから僕が師匠やあの頃教えを請うた先人のスピリットを後世にも伝えねばならないと思い筆をとりました。ロックから人生と愛を学び、演奏や自己表現を通して至福に至る役にたてばと思います。

まず本物を聴く事 

さて、前置きが長くなりましたがまず兎にも角にもいいロックを聴く事がロックを身に着ける唯一の方法です。とはいえ、世の中にはロックと呼ばれるミュージックは星の数ほどあります。闇雲に聴くにも程があります。今ならサブスクリプションで70’s洋楽セレクションを聴くというような方法もあるかもしれません。そこで気に入った曲やアーティストを深く掘り下げるというのも悪くはない方法です。

しかし、それには弊害があります。良くない音楽も大量に聴く事になります。これからロックを学びファンダメンタル(基礎)を作る段階にいる若者は可能な限り良くない音楽は体に入れない方がいい。それにロッカーになる人には全ての音楽を聞いている時間などないからです。

それを言うと何でも聞いてたらいつか肥やしになる云々、という人はたくさんいます。多数派です。しかし、真実は多数決ではありません。僕の経験、長年の研究からセンスのいい曲を作る、演奏する人のレコード棚やCDラック(今風に言えばプレイリスト)には素晴らしい音楽以外置いていません。さらに深く突っ込んでいうと豊かな文化がありました。そのような人は売れているとか一時の名声に関係なく本当にごく僅かです。多数派ではありません。本人すらその事に気づいていない場合もあります。ロックに限らず音楽、芸術は伝統芸の側面があります。その為、その人がどのような豊かなファンダメンタルを築いたかはその人のアーティストとしての格のように現れます。ファンダメンタルが築かれたあとは何を聞いても構いません。大事なものが揺らぐことはないからです。

僕は彼らの指がどのように動いているか(プレイ)よりも彼らのファンダメンタルを盗もうとしてきました。それは一見遠回りのように見えますが、これこそが唯一の道だと今では確信をもって言えます。かっこいいプレイやフレーズを積み上げるのもとても大事な作業ですが、そのプレイがどこから来たのかに気づく事が大事です。模倣を越えた所にロックの頂きは存在するからです。ロックは頂きを超える芸術とも言えます。

だから、いいもの、本物だけを求め血に染み込ませるように聞かなければいけません。このやり方は僕の師匠から受け継いだ方法です。これは師匠が物心つく前から音楽を始め、17で高校を辞め上京してからの悠遠で濃厚な時間を注いだ魂の一端です。これまではこのような魂の伝承を誰彼問わずに語る事をためらってきました。しかし、このまま僕が日陰で朽ちようとしていた時、誰かに伝えなければいけないと思いました。これは師匠とその周りにいた往年のロッカー、それを追い求めた僕の人生が凝縮されたプレイリスト作成方法なのです。

ロックスピリットはここから始まります。そして、それを理解すれば「匂い」でそれがロックなのか、ロックっぽい音楽なのか瞬時に嗅ぎ分けられるようになります。そうなれば少し自分の音楽も変わってくるはずです。

それでは気楽に始めましょうw

ルーツはとりあえず抑える - ブルース、ゴスペル、ソウルなどアメリカのルーツミュージック - 

やはり、ロックの始まりを学ぶ事は大事です。だからと言ってアメリカに行ってブルースセッションやゴスペルに数年通わなければいけない、なんて事はありません。流石にロバート・ジョンソンを理解するのは至難の技ですw 僕も最近になってやっと少し良さがわかってきました。でも、ブルースがロックン・ロールを産み、ロックン・ロールからロックが生まれたと言うようにルーツを一応知っておくのは重要です。

忍者タートルズはとても面白くて好きな作品なのですが、あれを侍アニメ、黒沢映画の末裔というとそれは違います。気が付いたら別物、という事態にならないようにする為にもルーツは一通り通っておく必要はあります。そこでブルースやロックン・ロールやゴスペルを好きになればその音楽に浸れば良いでしょう。

ロックはアメリカの音楽です。その為、誇り高き英国人だってアメリカアクセントでロックミュージックを歌います。しかし、ロックは様々な地域、音楽、時代のカオスと融合し進化を遂げてきました。サンタナのラテンロックとクイーンのロックは南大阪の柄の悪い若者(見取り図的な)と東北人くらい似て非なるものですが、同じロックの土壌にいます。それはルーツを共有しているからです。だから英語を母国語にしない日本人でも真のロックミュージックをする事が可能なのです。

ロックミュージックを知る為には地域性、その地域と時代の匂いを体得する事が重要です。ここで体得と言ったのは評論家が言った手垢のついた言葉を脳みその表面で覚えたところであなたの音楽にはなんの意味もないからです。僕もそのような言葉を使うかもしれません。しかし、思考より想念よりも早く嗅ぎ分けられるようになってください。評論家と違ってロッカーはいちいちWikipediaを調べている時間はないのです。

ブルース 

ブルースはロッカーにとって避けては通れない音楽です。ブルースが南部に住む黒人の間で生まれ、ジム・クロウ法(黒人を隔離し差別的な法律)から逃れるように北部のシカゴ(北部は差別がましだった)を目指す黒人を筆頭にアメリカ各地に伝わっていきました。その頃にはギターとその辺にあるものをパーカッションにして演奏していた、いわゆるギター一本(針金を引っ張って弾くだけというような弦楽器も存在する)の泥臭いブルースから洗練されたバンド形式の音楽になっていました。そこから、マディ・ウォーターズやハウリンウルフ、BB・キング、アルバート・キング、フレディ・キングというスリーキングスなどのスターが生まれました。この頃にはブルースもショービジネスとして人気を博し、レコードもより一般的になった時代なのでレコードもたくさん作られました。

ブルースはジャズやソウルに比べて(当時は今ほど境界線がはっきりあったわけではないけれど)よりシンプルなビートでインパクトのある力強いビートリフで構成されています。また歌の内容もより個人的なものにフォーカスされます。これが個性の夜明けであった60年代と融合しロックとなった大きな要因ではないかと僕は思います。そしてアゲアゲのブラックミュージック業界の中でチャック・ベリーがロックン・ロールなる更にアゲアゲなビート音楽を始め、ロックは産声をあげました。

ロック初期のミュージシャンはすべからくブルースミュージックをコピーしています。細かい事を言えばギターのチョーキングという技術はブルースがルーツです。黒人の何色とも表現できない心を表現するのにもってこいの技法だったのでしょう。これがわかればロックのチョーキングに何が必要かがわかるでしょう。

 

少し長くなりました。

ロックは系統だててその地域や時代の匂いを習得する事が一番の近道です。その探求の中で自分にしっくりくるスタイルを見つける事ができるでしょうし、今ある音楽がどの文脈に存在するかを理解する事で音楽の理解が大いに深まります。

次回からは本格的に分類ごとに見ていこうと思います。

 

読んでくれてありがとう。

僕はこう思う。

Taiyo Haze


参考音源

とりまこれからw


クラプトンとか名だたるプレイヤーが参加している名盤

表題曲をクリームがカバーしていたりする。僕のお気に入りの一枚。

全曲聞く必要はないと思うけど一度は聞くべき

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